さばみのIgA腎症との35年ノート

IgA腎症とともに生きて35年。いよいよ扁摘ステロイドパルス治療がはじまりました。

ステロイドの服用量が減ってきた実感

8月から服用し始めたステロイド。最初は1日30mgでした。2か月後に25mgになり、その2ヶ月後に20mg。その2ヶ月後に15mg。と順調に減薬しています。

15mgの服用になりたったの1週間なのですが、少しずつ体が元に戻っている実感があります。

まず、抜毛の量が劇的に減りました。ステロイドを服用していない時よりは断然抜けますが、ホラーのように手のひらにびっしり髪の毛束がたまるようなことは今はありません。

肌と髪のパサパサ感が尋常ではなかったのですが、冬の乾燥期にも関わらず、少し改善傾向にあります。

体のキズ。風邪で寝込み鼻をかんだら鼻の下にちょびひげのようなキズができてしまいました。そのキズがきれいに治るのは無理かなと半ば諦めてました。でも、なんとなく、治り方にスピードが付いてきた感じ。手指のキズも気づいたらふさがっています。

今は胃の重みもほぼ無くなりました。

それと、うまい表現がみつからないのですが・・・。体の中心に芯がしっかりと戻ってきたような感覚があります。ステロイドを服用してから、どことなく、体全体に力が入れられないような栄養分が末端までいきわたっていないような気分の時がありました。それが、最近は、体がズッシリドッシリある!という安定が戻ってきています。(体重は退院時から変わっていませんので、太ったということではないのです。念のため。)

 

ステロイドの蓄積量は減りませんが、服用量は確実に減っています。

30mg服用の時より体はいい状態です。きっと腎臓もいいはずです。あと少し。

 

高木美帆さんがパシュートで金メダルとりました。嬉しい^^

 

個人的なことですが

IgA腎症を本当に受け止められるようになったのは、多分、つい最近です。

先生から「10年後に透析している確率は60%」と数年前に言われたことが全てのきっかけです。

その一言から、私の生活というか人生というか時間は限りがあるものなんだと思えたのです。これからの人生のながーいカウントダウンを意識し始めた感覚です。

だから、ウダウダしている自分のままでは時間がもったいない!と、その時にウダウダしながらしていた仕事を辞めました。もちろん辞めた理由はこれ1つじゃないですけど。

出来る限り自分がよしと思える時を過ごそうと意識しながら仕事して生活しています。自分がよしと思わないことを無理してするのはやめようとしています。

これもIgA腎症になって有限感を肌で感じることができて、でも仕事も生活も割と普通にできて、だからこそ思えるようになったし出来るようになったと思います。

今の私はラッキータイムを過ごしているような気もしています。

もちろん。うまくいかないこと、お腹痛くなるほど考えちゃうこと、絶対叶わないこと、などなどたくさんありますが、それはそれで。

私たちIgA腎症患者は年を経れば腎機能は低下しますが、それはそれで。

今の時間も腎臓も思う存分大事にしまくりましょうね!!

日本に3万人いますしね、IgA腎症の人。そう思うとちょっと心強くなります。

ステロイドパルス退院から4回目の外来

8月にステロイドパルス入院してから早6か月。

今では、隔日のプレドニゾロン内服もすっかり板についてきてステロイド治療中であることがとってもノーマルになってきています。

今年の寒さは身に応えて、いつもならあまり口にしないようにしているスープ類などの塩分過多お料理をどうしても作ってしまうし、コンビニでも選んでしまう。

そんな今日この頃。

 

今日は退院してから4回目の外来受診です。

2か月ぶりの大学病院ですが、また、ステキな進化が。

私が通う大学病院は診察券はありますが院内ではほとんど使いません。大学病院入口で診察券を再来機に通すと1人1台の小型パッドと検査・診察一覧表を持たされます。診察券はそれで終わり。そのパッドに「もうすぐ診察の順番が来ます。」や「診察室に入ってください。」などのメッセージと音楽が流れます。パッドさえ持っていれば院内のどこで待っていても心配なし。メッセージが出てから診察室近くに移動すればOKなのでとっても楽。診察室前でじっと待っていなくとも、スタバや本やに行きたい放題。院内探検も全然OK。って、このパッドの導入はかれこれ1年くらい前かな。

この度進化したのは、そのパッドを入れておくクリアファイル。

今までは、小型パッドと検査・診察一覧表(A4サイズのペーパー)を、A4サイズのクリアファイルに入れて持っていました。手で持つのも煩わしいし、リュックに入れてしまうと取り出すときに面倒だし、脇に挟むと中身が落ちそうになるし。少々不便でした。

しかし今日大学病院に行ってみると、そのA4サイズのクリアファイルに、なんと、持ち手が付いていたのです。A4タテ型のバック状。持ちやすいし、中身が落ちない。先生からもらう処方箋やら検査結果などを入れたり出したりも楽ちんです。いやーちょっとした工夫なのですが驚くほど快適になって、思わず感嘆の声をあげちゃいました。ありがたや。

 

今日からプレドニゾロンが20mgから15mgに減りました。朝2錠夜2錠から朝3錠のみに変更。朝1回服用だけにしてもらいました。

全体的な腎機能低下は問題ありません。

新尿蛋白量は前回外来より0.25増えてました。

おそらく、前回12月の外来受診時にひどい動悸の原因が血圧が下がっているのにコバシルを1日2錠飲んでいるからだろうと1日1錠に減らしたことで、血圧が少し上がったために尿蛋白も増えたのだろうという先生の見解でした。

確かに、コバシルを半量に減らしてからは、動悸はなく、血圧平均値は上が15近く上がっています。

最近は座っている時でも立っている時でも動いている時でも、一瞬だけグワっとめまいがしてすぐに戻るということが何度もあります。それも血圧のせいかな?ということでした。

冬は鍋やスープなどの汁料理を食べる機会が多くなり塩分摂取量が増え、加えて汗で自然排出しないので、体内の塩分量は多くなりがちです。

私もご多分に漏れず、外来前1週間で3回も外食ラーメンしてしまいました。結果、今日の尿中塩分量は8gでした。いつもよりけっこう多い量です。外食が多ければそりゃそうね。でも「冬だからしょうがないね。」と言える程度の増加量だっただけ良かったかな。

この間受けた職場の健診結果で白血球が多く要精密検査になりました。

ステロイド治療をすると血管に張り付いて動かなかった白血球がなぜか動き出し血管に流れ出てきちゃうので、白血球が多くなったように見えるが総数は同じ。と以前に聞いていたので気にはしていなかったのですが、先生としては、次回外来時の血液検査でいちおう白血球もちゃんと調べたいそうです。

ステロイドはあと半年かけて5mgずつ減らしていって終了できそうだそうです。次回の2ヶ月後の受診時には10mgになる予定です。そうなると感染症予防薬なども終わりにできるかも。ただし、経過を見てると、コバシルとジラゼプはずっと(一生?)飲み続けなくてはいけないだろうと言われてきました。やはりか。

手の小指の筋(腱?)を断裂したことを先生に報告しました。整形外科の先生から「痛みもなく腫れもしないなんて、ステロイドの影響で筋が細くなっていたからだね。」と言われたことも伝えると、「ステロイドで筋が切れたと言う患者は初めてだ。けど、ステロイドは体のあらゆるところに影響するからあり得るね。もともと筋が細くてステロイドがとどめを刺したんだね。」と笑ってました。笑いごとじゃないんです。小指を固定する保存治療はものすごい不便なんですから。

 

眼科は終了しました。ステロイド服用量が減ったことと白内障緑内障などが悪くなっていないからとの理由でした。眼科の先生から「あと半年のステロイド頑張ってね。」と言われてお別れしました。

 

服薬、血圧測定、体重測定、減塩、たんぱく制限。

毎日やらなくてはいけないこと。

「どうでもいいっ」という気分になり、血圧も体重も測らずに適当な食事をしてしまうという波は必ずやってきます。そのどうでもいいウエーブが1日で終わるのか数日続くのか数週間になるのか、その時の気分や環境により変わってきます。

そんな時にそんな気分をリセットするのに効果的なのは、受診です。

受診すると、気持ちがあらたになります。リスタートが切れます。腎臓を大切しようとあらためて思います。

だから受診後は、きちんと制限した食事をするし血圧も体重もちゃんと測ります。

現在の2か月に1度の受診ペースは、自分リセットリスタートにも最適です。

 

IgA腎症のことも知っている20年来の友人に「最近、夕方に疲れていること多くなったね。」と言われました。IgA腎症そのものの症状でもあるしステロイド治療の影響もあるし・・「病気のせいかな?」と聞くと、「いや。年のせいだね。45過ぎたら普通疲れるよ。」と返され、なんだかホッとして笑ってしまいました。

そっか。どうしてもIgA腎症のことばっか考えてしまうんだけど、45歳になればそりゃ体にガタがきますわね。若い頃と同じ動きは出来ませんものね。

疲れて当たり前。疲れたら休もう。

 

22時までに眠ると次の日の体調がすこぶる良いのです。

何かとありますが、22時までに眠れるようにしたいものです。 

 

 

 

 

 

 

寒いときには手首式血圧計

かれこれ10年以上自宅で血圧を測っています。

ほぼ毎日測っていたので、じわりじわりと血圧が上がってくるのも分かったし、コバシルを飲み始めたらサーッと下がって驚いたりもしました。あまりにも正常値だったため「大丈夫そう。ま、いいかな。」と一時期測るのをさぼってしまったこともあるくらい。コバシルは効きます。

多少高めの血圧の方がしっかり測って先生に伝えなきゃって思います。

しかし、今年は寒い。だから血圧を測るのは大変。

なぜなら、私が愛用している血圧計は、ずっと、上腕式だから。

上腕式血圧計は文字通り腕の上の方にカフを巻いて測ります。冬に着るような厚手の上着の上からでは正確に測れません。測る方の腕は上着を脱がなくてはいけません。寒い時期にはそれがつらい!

あまりに寒すぎて、片腕だけでも上着を脱ぐなんてできない。ってなわけで1月に入ってからの血圧測定は数日だけしか出来ていません。

 

そこで。

上腕式血圧計での測定はあきらめました。我慢するのはなし。

手首式血圧計を新たに購入しました。シチズン製。近所のホームセンターに置いてあった手首式血圧計で最安値の品物2000円ちょっとでした。

https://www.amazon.co.jp/CITIZEN-シチズン-手首式電子血圧計-手首式電子血圧計-CH%EF%BC%B7301/dp/B07519RFCZ

 

とっても快適です。

手首に巻いて測るだけから、洋服の袖をまくったり片腕を出したりという準備が不要。どんな厚着をしていてもそもそも出ている手首で測るんだから寒くない(当たり前)。血圧測定にかかる時間とストレスがものすごーく減りました。もっと早く手首式にしていればよかったと思うくらい。

小さなことだけど、毎日のことだからこそ、便利な道具を利用して快適にしたいですね。

 

手首式血圧計には注意が必要な点があります。

カフを巻いた手首を心臓より低い位置にして測ると血圧は上がります。逆に心臓よりも高い位置にすると下がります。なるべく、手首が心臓と同じ高さになるようにして測ることが大事です。例えばイスの高さを調整したり箱の上に腕を置いたりなど。力が入ってしまうとうまく測れませんので、自然体でいられる状態で高さ調整することが重要です。

試しにイスに座って手首をだらーんとして測ったら、上157下110なんてビックリ血圧値が出ましたよ。ちなみに普段の血圧平均値は上115下65くらいです。

体感ですが、手首式のが血圧高めに出る傾向があるような気はします。が、寒い時期の血圧は高くなりますので、もう少し手首式を使い続けてみないと分からないですね。

 

便利なものをたくさん使って楽に機嫌よく生活する。

自分にとっても家族にとっても幸せだなと思います。

文明の利器ばんざい!

プレドニゾロンを17時に内服して・・・眠れない

本日の午後からアドレナリン全開の仕事を5時間ぶっ通しでやっていました。

お昼のプレドニゾロンを飲み忘れたまま、その仕事に突入。仕事中にプレドニゾロンのことなんて思い出すはずもなく、飲まないまま時はすぎました。

終わって一息ついて「あっ!!!」と突然プレドニゾロンのことを思い出したのは、すでに17時すぎ。

「お昼に飲み忘れそうなら朝に飲んでくださいね。プレドニゾロンは遅い時間に飲まない方がいいから。」と言われていたのに・・・。

プレドニゾロンを飲んだのは17時20分でした。

あ~ステロイド治療開始以来、最も遅い時間の服用です。

 

眠れるのか心配です。

作らなくちゃいけないものはあと20枚くらいあるのですが、起きていてそれを作る気力は湧きません。肉体も頭もかなり疲れているけど、仕事の興奮は残っている感じです。

とりあえず、お布団に入ってみましょう。

 

上手に眠れるといいな。

おやすみなさい。

 

 

 

腎臓病の皆さん。市販薬に気をつけて。

12月2日に開催されたCKD(慢性腎臓病)セミナーの様子が今日の朝日新聞に紙上採録として掲載されています。

うわっと思う一文が載っていました。

 

私は木曜日から体調を崩し土曜日朝までお布団の中で過ごしました。熱はないのですが、摘出したはずの扁桃が痛み、鼻水が出続け、だるさとフラフラで起きられないという状態でした。

ステロイド治療を始める前だったら、大好きな市販の風邪薬を木曜日の夜すぐに飲んでいたと思います。

しかし、ステロイドパルス入院中に、あの美しい薬剤師さんから「市販薬は腎臓で分解されるものと肝臓で分解されるものがあって、腎臓で分解されるものは飲んではいけない。」と教えてもらっていましたので、市販の風邪薬を飲みたい衝動をグッとこらえ、そのまま寝ました。

市販薬のどれが腎臓で分解されるのか、肝臓で分解されるのか、外箱を見ただけでは分かりませんし、使用説明書を読んでも分かりません。それならば、飲まない方が賢明です。

 

そんなこんなで今日やっと起きられるようになり新聞を読んだら、タイムリーにうわっと思う一文に出会いました。

「腎臓を悪くしている原因を知ることが大切です。<中略>腎機能が悪い人では抗生物質や鎮痛薬、風邪薬、カルシウム製剤などが悪化因子になります。」原茂子先生談『早期に発見して適切に管理することが大事!』より抜粋。

 

やはり。市販薬でも自己判断で飲むのは危険ですね。

ちょっとでも調子が悪くなったら受診しましょうということです。

 

私はと言えば、教えてもらった「はちみつ大根」を飲んで早く寝ることにします。

 

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『あなたはそこに』谷川俊太郎 作

谷川俊太郎作 

   『あなたはそこに』

 

あなたはそこにいた 退屈そうに

右手に煙草 左手に白ワインのグラス

部屋には三百人もの人がいたというのに

地球には五十億もの人がいるというのに

そこにあなたがいた ただひとり

その日その瞬間 私の目の前に


あなたの名前を知り あなたの仕事を知り

やがてふろふき大根が好きなことを知り

二次方程式が解けないことを知り

私はあなたに恋し あなたはそれを笑い飛ばし

いっしょにカラオケを歌いにいき

そうして私たちは友達になった


あなたは私に愚痴をこぼしてくれた

私の自慢話を聞いてくれた 日々は過ぎ

あなたは私の娘の誕生日にオルゴールを送ってくれ

私はあなたの夫のキープしたウィスキーを飲み

私の妻はいつもあなたにやきもちをやき

私たちは友達だった

 

ほんとうに出会った者に別れはこない

あなたはまだそこにいる

目をみはり私をみつめ 繰り返し私に語りかける

あなたとの思い出が私を生かす

早すぎたあなたの死すら私を生かす

初めてあなたを見た日からこんなに時が過ぎた今も