さばみのIgA腎症との35年ノート

IgA腎症とともに生きて35年。いよいよ扁摘ステロイドパルス治療がはじまりました。

IgA腎症と遺伝

IgA腎症はしっかり研究されるようになってたったの40年しかたっていません。だから分からないことばかりだと主治医の先生に言われました。

私は45歳。経過を見れば10歳から病気にかかっていて確定診断されたのが20歳の腎生検の時、IgA腎症の研究とともに大きくなってきました。そんな私たちがIgA腎症の第一世代とも言えます。

これまでは、IgA腎症は明確な遺伝性があると言うわけではなく一部に家族内発症もあるという報告がなされていました。

でも、先生いわく、ごく最近「IgA腎症は遺伝性ではないか。家族内発症がある程度の割合で起きている事実がありそうだ。」という研究報告があったようです。

事実、先生の外来でも、そう多くないIgA腎症の患者で親子で発症という例が複数あるそうです。

私たち第一世代のIgA腎症患者が子どもをもつようになったからだと私は思います。それで、やっと今になってIgA腎症の家族内発症の例が出てきて、もしかして遺伝的要素があるのでは?と考えるようになったのだと思います。

IgA腎症は遺伝的要素がある病気かもしれないぞ。と、40年の年月がかかってやっと見えてきたということなんでしょう。

私の子どもが学校健診で尿潜血(+)だったので一緒に私の主治医を受診しました。先生からはIgA腎症の可能性を前提に説明を受けました。「腎生検をして扁摘ステロイドパルス治療して。お母さんがやってきたことと同じだよ。大丈夫だよ。ステロイド治療は長丁場だから大学3年までには終わりにできるように計画たてて治療しなくちゃね。それが終れば1年に1回大学病院に通うくらいで大丈夫だから。」という説明。子どもは「多分、私は違うと思うんだよね。」とあっけらかんと言っていましたが、私は、先生と長い付き合いですから、大方、先生には結果が見えているんだろうなと感じています。

 

神様は私に何を求めているのかな。

IgA腎症の研究成果を身をもって確かめるために、治療法を探すために、何か役割があるのだろうかな・・・

だったら私は大喜びで研究されちゃうから、子どものことはそっとしておいてくれないかな。

ステロイド治療とムーンフェイス 最終章

顔の大きいさばみです。

医師に扁摘ステロイドパルス治療を勧められながら数年間も先延ばしにしていた大きな理由のひとつは、副作用のムーンフェースでした。

ステロイドパルス治療のために入院した時にも医師や看護師に「何か心配なことはありますか?」と聞かれれば、必ず「ムーンフェースになる確率」を聞いていたくらいです。

昨年8月にステロイドパルス治療ではじめてステロイドが大量に体に入りました。現在は、隔日1日5mgのステロイドの内服は続いています。

ステロイドが体内に入って1年経過する現在のムーンフェースについての結論です。

 

体重を増加させないことで、ある程度防げる。(のではないかと考える)

 

私はステロイドパルス入院時からすると3㎏痩せています。扁摘手術前からは6~7㎏痩せています。

痩せたので顔が少しだけ小さくなりました。もっと大幅に小さくなってもよいと思うのですが、少しだけです。

この「少しだけ」顔が小さくなったというのが、ステロイド→ムーンフェース→痩せた→顔の肉が落ちる→ムーンフェース分が戻った→痩せた量が大きく少しだけ顔の肉が減った。ということなのかもしれません。

もしかして、最初からムーンフェースにはなっていない可能性もあります。

 

どっちにしても、ムーンフェースは、体重が増加しなければ、あるいは体重が減少すれば、ひどく出現するということはないのではないかと思います。

 

ムーンフェースを心配して扁摘ステロイドパルス治療をためらわれている方、食事や体重の管理でムーンフェースが防げる可能性は大いにありますよ。

また、ムーンフェースになってもステロイドが体から抜ければ時間がかかっても元に戻るそうです。

 

ムーンフェースを心配しすぎずにいきましょうね。

 

平尾奎太投手(ホンダ鈴鹿)応援しています

IgA腎症の平尾奎太投手。1994年生まれの24才。

野球チームホンダ鈴鹿に所属する投手です。社会人日本代表に選出され、ドラフトの注目選手でもあるそうです。

野球の名門大阪桐蔭高校時代は、同級生の藤波晋太郎投手の控え投手として、甲子園春夏連覇を成し遂げました。

高校2年生でIgA腎症を発病し、医師から野球禁止と言われるも3年夏の甲子園まで何とか踏ん張り、甲子園後に野球をストップしました。その後、同志社大学に進学し野球を続けますが、1、2年は野球禁止で入退院を繰り返しました。

それなのに、今や社会人野球の雄!なんとたくましい。

IgA腎症の治療をしながら、厳しいスポーツを続けていて、おそらく食事制限などもしっかりやっているんだろうな。

大学生の時に入退院を繰り返したということは、扁摘ステロイドパルスしたのかな?

IgA腎症でもプロスポーツ選手になれるんだなぁ。

何事もあきらめちゃいかん。

 

とにかく。応援します。がんばってほしい!私もがんばろうと思う。


mainichi.jp

子どもが無症候性血尿の疑い

上の子が学校の尿検査で尿潜血(+)になりその後の学校2次検査でまた(+)になりました。今高校生ですが、毎年学校健診を受けてきて初めてのことです。

医師などで作る腎臓健診判定委員会で「無症候性尿潜血の可能性」と言われました。

無症候性尿潜血だった場合、1年以内に自然に尿潜血が(-)になることが50%、8年以内に尿潜血(-)になるのは80%の確率です。ほぼ、治療などせずに自然にいつの間にか尿潜血が(-)になっていたという経過なんだと思います。

だから、そんなに心配することはないと思います。加えて自覚症状もまぁ皆無ですし。

それに、尿蛋白が出ていませんので、腎疾患の可能性は低いとは思います。

私は尿蛋白が小5からずっと続いていましたから、やはり深刻度が違いますよね。

 

でも、涙が出るほど心配です。

IgA腎症はいわゆる遺伝性ではないと言われています。

でも、もしかして・・・という不安がどうしても湧いてきてしまいます。

私と一緒に大学病院腎臓内科を受診する予定です。

 

どうか、神様。

子どもの腎臓を守ってください。

厚生労働相 難病患者15万人 医療費助成の対象外に

今朝のNHKニュースでやっていました。

「あなた軽症者ね」とお国に言われてしまった人は、難病医療費助成の対象外となってしまいます。

その救済策的な施策として、1か月の医療費が33,000円を超えた月が3月以上ある場合は「軽症高額該当」となり助成が受けられます。

その結果のニュースです。
www3.nhk.or.jp

 

一番の懸念は、加藤厚生労働大臣が語ったこの言葉「経過措置の対象となったおよそ72万7000人のうち、8割に当たるおよそ57万7000人の患者は引き続き認定されたが、残り2割の患者は不認定か申請なしだった」の中の<申請なし>の人。

 

自分でやってみてわかりましたが、この難病医療費助成申請の手続きは、かなり大変です。書類の記入も大変ですが、それ以上にそろえなくてはいけない書類が多すぎなのです。加入している医療保険の種類によっても書類が違いますし。

私が住んでいる県からは、マイナンバー提供後は住民票や市町村民税の課税証明等の提出が省略できる旨を案内していましたが、①支給認定に必要な項目が情報連携により得ることができないこと②照会結果の確認に期間を要し支給認定の遅延が想定されることという理由で、マイナンバーを提出したのに、今まで同じように住民票やら課税証明やらも結局提出してくれと言われました。

何のためのマイナンバー?結局マイナンバーが導入されたけど、私たちが便利になることはこの先もなさそうな予感。

医療費助成を申請するのにいろんな書類をそろえて、書類を書いて、難病患者が役所に行って申請するんです。私のところは住んでいる市町の役所で申請できるのは1日だけ。その1日を逃すと、車で30分かけて行くような保健センターに持っていきます。

こんなんだから、軽症者に該当するかもの人は「もういいや。」と申請をあきらめてしまう可能性も十分です。

行政が提供するサービスで申請主義のものは、こういうあきらめてしまう人・そもそも申請できる力が少ない人を置いてけぼりにしてしまう恐れはすごくありますよね。

 

ということで、大好きな大野更沙さんが難病医療費助成について書いた記事です。


www.nhk.or.jp

ステロイド治療をはじめて10か月目の受診(退院から6回目外来)

扁桃摘出は昨年4月。

ステロイドパルスが昨年8月。

扁摘から1年経過し、ステロイドが体に入ってからもうすぐ1年になろうしている先日、大学病院腎臓内科外来受診をしました。

 

結果は多少悪くなっていました。

ステロイド治療の効果はある程度出ていて尿潜血は(-)を維持できている。から、IgA腎症の顕著な悪化はない。eGFRの数値もそれほど大きな変化なし。ということは腎機能の大きな低下はないと考えていいとのこと。

なのに、尿蛋白がここ3回の受診の度に右肩上がりに増えています。

なぜだ?と先生が言うんだから仕方ない。原因は分かりませんが、尿蛋白は増えてしまっています。

血圧が高めで推移していたことと関係があるそうなので、コバシルが倍量に増えました。コバシル倍量にして次回の受診時に尿蛋白が増えていなければいいのだけれど・・。

 

先生に今後の透析可能性を聞きました。

もちろん、絶対ではないし、何かが起きればこの通りにはいかないという前置きをもらいつつ、「今後5年間はまず大丈夫だろう。10年間もまぁ大丈夫だと思うよ。」とのこと。

「今は人生100年とか言われていてどのくらい生きるか分からないけど、そこまで年とって透析しないというのは無理だとは思うけど。」のオマケ付き。そこまで年とっては何歳よ?80歳?「ま、80歳とかで透析しないのは難しいかもね。」だって。

ひとまず、55歳までこの調子で生活して仕事できれば、よし!ですな。その後のことはその時にのんびりと考えます。

 

前回受診から今回受診までの2か月間で2回程度、具合が悪くなり寝込んだことがありました。それを報告すると、「食事で塩を取りすぎると、さばみの腎臓は弱っているから処理できずに、すぐにむくんで具合悪くなるよ。」と即答。具合悪くなった2~3日前の食事で塩とりすぎているだろうって。

お付合いの席などで塩をとってしまうしかない時などは、その前後の食事でよ~く調整しないと倒れます。それがよく分かりました。

ちなみに汗をかく夏は摂取した塩が汗と一緒に排出されるので、塩分検査をすると自分で思っているより塩分摂取量が少なく出ます。そもそも塩分は摂ってしまうものなのでそんなに心配する必要はないけど、塩分とらなすぎにも少々注意を。夏だけね。

 

仕事の関係でここ数か月少し忙しい日々を送っています。

意識的に、はよ寝まひょ。

扁摘手術から1年経過しましたが、味覚障害はそのまま・・・

扁桃腺を摘出したのが昨年4月。すでに1年が経過しました。

手術後1週間くらいから顕著に出始めた「味がしない・・・」という味覚障害は、今もほとんど変わっていません。

先日、味覚検査を受けました。

舌の先、舌の奥、のどの上の方、の3か所で、甘い・しょっぱい・酸っぱい・苦いの4つの味がわかるどうかの検査。

私は、3か所すべての場所で、4つの味全てを、全く感じることが出来ませんでした。

味覚障害扁桃腺を摘出した時から変わらずずっと続いていることになります。

だんだんと味が分からないことに慣れてきてしまったので、以前より、違和感なく食事をしていますが・・・

この間食べた綿あめの甘さを全く感じなかったことには驚きました。

人間は自分にとって安全であることが多い「甘い」という味に一番鈍感で、死に直結することが多い「苦い」に敏感に出来ているそうです。

ビールの味の違いは分かるのよ私。苦味だからかしら。

 

腹くくってますが、味覚障害は一生続くんでしょうね。

扁摘ステロイドパルス治療の隠れた副作用ですな。