さばみのIgA腎症との35年ノート

IgA腎症とともに生きて35年。いよいよ扁摘ステロイドパルス治療がはじまりました。

<入院16日目>ステロイドパルス治療3クール目点滴①

ステロイドパルス最終クールになりました。点滴1日目です。今日は、1回で点滴ルートが確保できました。奇跡です。今、私の両腕には8つの青あざがありますが、増えなくてよかったです。ホッ。

 

入院してから16日。新尿タンパク換算値は、なんと1/5に激減。24時間蓄尿ベースでもやはり1/5に減りました。

思いのほか、効きが良くて、本当によかったです。

その影響なのかどうなのか、貧血もそれほどではなくなり鉄剤の内服も中止になりました。薬が減っていくのは嬉しいことです。

 

蓄尿です。

私にとってはまあまあよくある検査なのですが、よく考えるとそんなに一般的ではないかもしれない。

蓄尿は、24時間分の尿を貯めて、そこから尿中成分を正確に測る検査です。

私が学生だったころの蓄尿は、茶色いきつい蓋つきの薬臭い甕(素材は何だったろうか。さすがに瀬戸物ではありませんでしたが。プラスチックだったのかな。)に24時間の尿を貯めていました。それが少し経つと半透明のプラスチック製で蓋も軽く開け閉めできるものになり、今は蓄尿架台という素晴らしい医療機器がトイレに鎮座ましましているのです。

蓄尿架台には、患者ひとりひとり用の尿を貯めるビニルバック(2500㎖入る長方形の袋。メモリが見やすい。)が取り付けられています。そのビニルバックには金属製の蓋が取り付けてあり、尿を入れる時に蓋を開け、入れ終わったら蓋を閉めます。パカパカとっても軽い感触です。そして大変驚いたのですが、そのビニルバックの蓋に消臭剤が埋め込まれているのです。患者の数だけ尿が貯められているのですが、尿臭は皆無です。尿は500㎖のカップで採尿してそのカップからビニルバックに入れます。トイレの中に、手洗い水道とは別に、その採尿カップをゆすぐ小さな水道があります。心使いが本当にありがたい。

こういうちょっとしたところで、入院生活のモチベーションがグッとあがります。

貯まった尿は、看護師さんがビニルエプロンを装着して処理してくださっています。本当にありがたいことです。

 

IgA腎症から慢性腎不全になるのは、20年経過で40%と言われています。研究当初は予後が良い病気とされていたのですが、研究が進むにつれて、いやそうでもなくない?となり、研究が加速していったと前に聞いたことがあります。心疾患罹患率も高いそうな。

もう5年前くらいに、外来の先生に「10年後に透析している確率は60%」と言われたことがあります。けっこうガーン!と来ました。転職するきっかけのひとつにもなりました。あとになって先生とその話をすると「それはかなり悪く言っての数字だね。」とサラリと言われて、笑いましたが。とにもかくにも、自覚症状はあまりないけど、予後はそんなに楽観視できないというのが、IgA腎症なんだと思います。

でも、今回、35年かけて、段階的に、多分のんびりと、治療の階段を上がってきています。上がってきてみたら確実に良くなっています。できたなら、扁摘ステロイドパルスは、もっと早くやった方がよかったそうですが、それも、ま、今だから受けられたわけですから。

 

これからは、今の腎臓を維持するための食事と生活を考えないといけません。