さばみのIgA腎症との35年ノート

IgA腎症とともに生きて35年。いよいよ扁摘ステロイドパルス治療がはじまりました。

<入院17日目>ステロイドパルス治療3クール目点滴②

少しセンチメンタルな気持ちです。

 

ステロイドパルスの治療はとても順調です。今は来たるべき退院に向けて家で飲むお薬の調整などをしている段階です。

 

今、腎臓内科病棟のベッドには空きがあり、他科の患者さんが入院してきています。

先日、他科の同世代女性が入院し退院していきました。もちろん病気は全然違います。

私たちは、短い時間でとてもいろいろな話をしました。病気のこと、治療のこと、今までのこと、恋愛のこと、家族のこと、好きなもの、これから訪れるであろう困難のこと、なんとなく先が明るいなと思えること。

酒好きの2人は幸か不幸か入院中だったため、学生時代の修学旅行のような健全な夜を過ごし、枕投げこそしませんでしたが、カーテンも閉めずに話しまくりました。

大人になると、こんな話したい夜はちょいと一杯っになってしまいますが、素面もいいものです。(同室に他の患者さんはいません。念のため。)

 

彼女と私をつなげてくれたのは、病気。ただこれひとつ。

この大学病院にいる間の私は、「IgA腎症のさばみ」としてのアイデンティティで、自分をさらけ出せる。入院しているこの時間は「病気」が全ての人との共通項で、つながりの素だから、病気を使って自分をさらけ出すことは至極当然で、とても楽チンなんだと思う。私がバカみたいにこだわっている私のコダワリもここじゃ全く関係ないし。

「病気」だけを通じた彼女との出会いは、私にとって綯交ぜでない分、強烈で新鮮だったのかもしれません。

 

退院が近づいてきて、これからの時間をどう過ごそうかとあれやこれや考え始めたタイミングでもありました。

入院前よりも少し余裕を持ちたい。「Hanako」的な「クロワッサン」的な余裕? ノーノー。「暮らしの手帖」的な、そんな余裕!

そのためには、もう少し、使える時間を増やしたい=寝る時間を減らさないと・・・。寝るのが趣味と豪語する私は、「1時間早く起きて時間を有効に使う。」「2度寝に負けない。」を実現できるか、それが勝負の分かれ道な気がしてなりません。なんの勝負だ?

そして「仕事感」みたいなものを取り戻したいなぁと沸々とした欲求がちょっとずつちょっとずつ湧き上がってきたようにも感じます。事務所行きたい。

 

そんな今日。彼女と連絡先を交換して元気にグッバイし、ひとりセンチメンタルな気分になりながら、病院の外への思いは募るばかりなのでした。