さばみのIgA腎症との35年ノート

IgA腎症とともに生きて35年。いよいよ扁摘ステロイドパルス治療がはじまりました。

IgA腎症の見極めに大切なこと

私の子どもがIgA腎症かどうか。遺伝していたのか否か。

子どもの2回目の大学病院受診結果は「大方IgA腎症だろうけど、確定するには腎生検をする必要がある。が、10時間程度全く動けず相当つらく腎臓出血というリスク高の腎生検をやる程、悪い状態ではない。」というものでした。

 

まず、IgA腎症以外で血尿を呈する疾患の可能性を消していく作業があります。

代表的なものに「ナットクラッカー症候群」があります。ナットクラッカーは、腹部大動脈と上腸間膜動脈に挟まれて横切っている左腎静脈が内臓脂肪が少ないために圧迫され血液が流れにくくなり、静脈の圧力が上がり、左腎の血管が破れて血尿となるものだそうです。私の子どもは少々細身なので「可能性としてある」ということで腎エコーをとりました。が、ナットクラッカー症候群の可能性はないという検査結果でした。

はい。ひとつ消えた。てか、IgA腎症の可能性がひとつ高まった。

先生からは「ナットクラッカーを防ぐためにも今よりやせない方がいいよ。」と、猫も杓子もやせたいやせたいという思春期の子にはありがたい助言を賜りました。

 

次に「菲薄基底膜病」。糸球体のどこかの膜が薄いために血尿が出るというものですが、腎機能低下などもなくほとんどの場合治療も必要ないそうです。別名「良性家族性血尿」と言われていて遺伝性家族内発症の病気ですが、家族に腎疾患患者がいない場合に適合するようで、私のようなドストライク腎疾患の家族がいる場合は大抵違うということになるようです。この病気に関して先生は「可能性としてない訳ではないけど、お母さんのIgA腎症を考えると、そうじゃないことのが多いよね。」とのこと。

ま、これも消えるでしょうね。

 

とすると、学校健診で血尿(+)でひっかかった私の子どもは、先生いわく「大方IgA腎症だろう」という結論になるわけなんですよ。

 

ただ救いは、IgA腎症だったとしても「ごくごくごくごく軽症」ということ。これが「悪い状態ではない」と言われた根拠のひとつです。

①尿沈渣赤血球は(プラスマイナス)範囲。

②新尿蛋白換算値は0.15g/gCr以上が腎機能低下となりますが、0.10でド正常。

ちなみに私はステロイド治療を完了してなお0.5g/gCr以上ありますので、腎機能低下は重症そのままなんですけどね。尿蛋白が多い型のIgA腎症だから仕方ないのですが、尿蛋白が多いと腎臓へのダメージが大きいので・・・悲。

③血清IgA値が315mg/dⅬ以上がIgA腎症の条件のひとつとなるのですが、それが266mg/dⅬと、これまたド正常。

これが315を超えていないということは、IgA腎症と診断するための条件をクリアしていないとも言えます。が、随時尿3回の検査で血尿(+)で母親がIgA腎症ということを考えれば・・・というところなんですね。

以上から「大方IgA腎症だろうけど腎生検をやる程悪い状態ではない。」という結果になったわけです。

そういや、③の値にについて先生から「さばみさんには詳しく説明したことない値だけど、そもそもずっと315以上だったからね。説明する必要もなかったんだ。」との衝撃のセリフが・・・。フン。どうせ、悪かったでしょうよ。今更だけど、新しい知識を得ることができて良かったよ。ありがとさんよ。

 

「子どもの結果どうだった?」と聞いてくれる人がいて、心の底からありがたいと思いました。私はなんて幸せものなんだと思いました。