さばみのIgA腎症との35年ノート

IgA腎症とともに生きて35年。いよいよ扁摘ステロイドパルス治療がはじまりました。

ステロイド治療とムーンフェース・・私がムーンフェースになっていない訳

先生からステロイドパルス治療を勧められながらも、数年間逃げ続けていた大きな理由のひとつが副作用のムーンフェースへの恐怖です。

ネットで調べると、ムーンフェースはステロイド副作用の中でも出現しやすいものとして書かれていました。

もともと顔の大きい私は、太るとき、まずは顔にお肉がつきます。そして顔がやせるのは一番最後です。そんなのですから、ステロイドパルス治療したら間違いなくムーンフェースは出現する!と思っていました。

いざ、8月にステロイドパルスで入院すると、病棟の主治医も看護師も薬剤師も「ムーンフェースの副作用が出た人の記憶があまりない。そんなに心配することない。」と言ってくれたのです。その時は、無邪気に安心して喜びましたが・・・。

それから3か月が経過しました。現在も、自宅でステロイド25mgを内服しています。

ですが、今のところ、ムーンフェースは出ていません。(と、思います。)

その理由が分かりました。

やせた体重をキープしているからです。

この1年間で腎生検・扁桃摘出・ステロイドパルスと3回入院し少しずつ体重が減少しました。5~6㎏は減っています。今、その体重をキープしています。

「ムーンフェースはステロイドで脂肪がつきやすくなるからなる。食事制限したり運動したりダイエットと同じようなことをすれば脂肪がつきにくくムーンフェースにはなりにくい。ステロイドの量が減れば治る。」と先生から言われました。

私は、今、脂肪がつきにくい生活をしています。運動して脂肪を燃やすことは出来ませんので(億劫で)、食事に気を付けています。というか、塩分・たんぱく制限食ですから、当然、気を付けるしかないのですが。

「減った体重をキープしている=脂肪がつきにくい生活をしている」これが、今のところ、ムーンフェースになっていない理由だと思います。

なので、入院していた時に病棟の看護師たちが言っていた「ムーンフェースの副作用が出た人はあまり記憶にない。」というのも、病院生活はそもそも脂肪がつきにくい生活だからではないかなと思った次第です。

そう考えると、ムーンフェースにならないために!と、今の体重をキープする生活を続けるモチベーションも上がります。

とは言え、ステロイドの内服量が多いとムーンフェースリスクは高くなります。ステロイド内服量が多いとどうしても出現してしまうこともあるそうですが、ステロイド内服量が減り時間がたてば治ります。

治療も副作用の消沈もゆっくりちょっとずつあせらずいきましょう

ステロイドの副作用 髪が抜ける

ステロイド治療を始めて3か月あまり。ここにきて、髪の毛が抜けて抜けて、気になるようになりました。

ステロイドパルスで入院していた時は病棟のシャワー室で髪を洗った後に洗面台でオイルをつけてドライヤーで乾かすと床に数本髪の毛が落ちるくらいでした。

それほど気になる抜毛ではありませんでした。

それから3か月。ずっと抜け毛はありました。

でも今は、相当な抜け毛の量です。気になります。

どのくらいの量かと言うと・・・

手ぐしで髪をとかすと、手の指と指との間に髪の毛がビッシリと挟まります。それも、とかす度に毎回。入浴して洗髪すると、指と指の間に、もっともっと髪の毛が挟まります。

私はもともと毛量が多いので、抜けてくれてもいいんですが・・・それにしても手に残る髪の毛の量が多すぎて、さすがに自分でもゾワっとします。

ステロイドの副作用のひとつです、抜毛。だから仕方ないのですが・・・。

ステロイドを大量投与していたパルス期より、今のが気になる程の抜毛量になったということは・・・。ステロイドの累積量によって抜毛量が増えるのでしょうね。

まだまだステロイドを飲み続けていくので、あまり気にしすぎないように付き合っていくしかなさそうです

退院後2か月目の外来

パルス後退院して2か月目の大学病院腎臓内科外来受診でした。

退院後1か月目の外来時より良くなりました。腎機能低下が「止まった」という感じです。

新尿蛋白換算値(0.15以下が正常)が、0.274 に下がりました。

先月の退院後1か月目外来時は、0.397 あって、「もう少し下がってると思ったけど。」と先生から辛口コメントをもらっていたのです。それに比べるとずいぶん減りましたね、尿蛋白。

ちなみに、パルス入院時は0.191まで下がってたのです。

が、先生いわく「入院時の数値は、比較しない。生活しながらの数値じゃないから。」と。

先生、ステキ!そう。何事も、真実は生活の中にあるのよ。生活を見失っちゃいけないの。・・・。

そして、尿潜血は(-)です。

もともと尿潜血の少ない非定型IgA腎症なのですが、(-)になるとさすがに嬉しい。

先月は(プラスマイナス)でしたから。

ステロイドが効いてるそうです。

新尿NAG換算値は、腎臓病があると高値になるもので、基準値は1~6.2です。今回の私の数値は、7.1 です。基準値までもう少し、おしい!先月の外来時は13でしたから、だいぶ良くなりました。

クレアチニンもまだ高いですが先月より良くなっています。

腎機能低下を測るeGFRは46まで下がりました。重症と中等度の間まできました。今まではずっと重症だったので、かなり嬉しい!

先月はコレステロールが少し高かったのですが、ステロイド副作用で心配な高血糖、高コレステロールともにクリアです。

退院して2か月。生活も仕事もだいぶ普通になってきた頃の受診で、これだけ良くなったのは自信になりました。これからも、ゆるやかに無理はせずに、いい塩梅でいきます。

 

先生のコメントでびっくりすることがありました。

「ペルサンチンとかコメリアンは尿蛋白を減らす効果はほんの少しだけ。今、飲んでるのは、血栓ができやすくなるステロイドを飲んでるから血液を流れやすくするためだよ。」と、ビックリ発言が。

へ?

入院中の頭痛と嘔吐の辛さを乗り越えてペルサンチンからコメリアンに変更してまで「尿蛋白を減らすためには飲んでいた方がいい。」と入院中の先生に言われ飲み続けていたのに、どっちにしろ尿蛋白を減らす効果があまりないとは・・・。

医師によってこんなに見解が違うなんて。

今回の外来で「心臓がドキドキする。血液がド~ッと流れるような時があって息苦しい。」と訴えたら、先生からのビックリ発言が出たのです。

入院中から「尿蛋白を減らすために服用している」と信じて疑わなかったコメリアンだったので、かなり驚き目が点になったのです。

先生が「コメリアン、やめられるかな・・」とブツブツ言っていたので、ステロイド服用して血栓が出来て脳に飛んだりしたら本当にイヤなので、「大丈夫です。続けます。」と言いましたので、今も飲み続けています、コメリアン。飲む目的が変わっただけです。

印象としては、入院時主治医の先生は教科書的な見解を示してくれて、外来主治医の先生は、その経験と知識からくる見解を示してくれているような気がしました。

 

もうひとつ。

先生に「インフルエンザ予防接種、どうしよう?」と聞きました。

入院時主治医には「受けてください。」と言われてました。

外来主治医からは「どっちでもいいよ。大事なのは、インフルエンザにかからないこと。ということは、今年の冬は大人しくしていることのが大事。」との答えでした。

すでに12月1月に世界有数の人ごみの地に行く予定がいくつか入っています。大人しくしていることは難しそう。

生まれて初めて、受けるか・・・インフルエンザ予防接種。

 

先生によって違う見解。

入院病棟にいる医師たちは研修医など若手が多く、ある意味、慎重で正統派な回答。

外来を担当する医師は、ある程度経験も豊富で年齢もいっていて、そこからくる先生なりの解釈がある。

ほんと、おもしろい。

 

順調に数値が良くなっているので、ステロイドが5mgだけ減りました。

30mgから25mgになりました。

少しずつ少しずつ減らしていくのがステロイド治療。

先生から「このままいけば1年後にはステロイド治療を終了できる。そうすれば、ステロイド副作用のための薬も終われる。」とお言葉をいただきました。

ステロイド治療も残すは10か月。

よっしゃ。もう少し!

 

ステロイド副作用のムーンフェースは、今飲んでいる量によって出やすさが変わるそうです。ということは、30mg飲んでいた時が最もリスク高。飲むステロイド量は減っていくからムーンフェースリスクも減っていきます。よかった。

感染症骨粗しょう症、糖尿病などは、ステロイド累積量によってかかりやすさが増すそうですので、今後、ステロイドを服用する度にリスクが上がります。要注意です。

 

次回の外来受診は2か月後です。

数字によって自分を評価される恐怖と快感を同時に味わえるのが、外来受診の時間です。

IgA腎症とステロイドパルス治療と医療費の支払い

IgA腎症は、包括医療費支払い制度(DPC)に 該当しています。

包括医療費支払い制度(DPC)は、入院中の医療費を、定額部分 と 出来高部分 との2種類に分けて計算します。

IgA腎症で入院すれば、「普通、するでしょう。」という医療費は定額部分。

手術とかリハビリとか、ちょっと特別感がある治療が出来高部分。

簡単に言うとそんな分け方です。

 

私が8月にステロイドパルスで入院したときの診療明細書を見てみます。

ちょっと特別感がある治療 出来高部分は・・・。

・栄養食事指導料

咽頭拭い液採取(ステロイドパルス中にのどの痛みがあり溶連菌がないことを確認した検査)

胃カメラ検査(ステロイド服用中に胃潰瘍になりやすいからと検査したもの)

・退院時処方のいくつかの薬

・療養環境加算(病室が広いなどの加算)

・患者サポート体制充実加算(相談員などがいる相談担当窓口があることの加算)

・退院支援加算

ステロイドパルス点滴のメチルプレドニゾロンが、この特別感がある「出来高部分」に該当していないのです。これは意外です。IgA腎症治療のステロイドパルスは普通ということなんでしょう。標準的治療ですし。

 

「IgA腎症で入院したら普通するでしょう」的な定額部分の医療費は・・・。

・血液検査

・尿検査

・眼底検査(ステロイド治療すると緑内障になりやすいので検査したもの)

・心電図検査

・胸部レントゲン

・入院中に処方された薬

などなどなどなど。

IgA腎症であっても、ステロイド治療しなければ不要だったのでは?という検査も含まれています。検査によっては、どんな病気でどんな事情で検査しても、定額部分に含まれるということなのでしょうね。

 

定額部分の医療費は、1日いくら×入院日数 で計算されます。

そこに、出来高部分の医療費が足されて、総医療費が計算されます。

 

ステロイドパルス治療で19日入院した私の医療費を大雑把に計算してみると。

定額部分の医療費は、約60,000円。

出来高部分の医療費は、約35,000円。

食事費用が、約15,000円。

合計約110,000円。

というところです。

 

そして、IgA腎症は指定難病で医療費助成が受けられますので、医療費支払い自己負担の上限額が所得により決まっていますので、その上限額までの支払いとなります。

私は20,000円が自己負担額の上限額です。

ですので、医療費自己負担は95,000円でしたが、私が実際に支払ったのは自己負担額20,000円+食事費用のみでした。

 

本当に本当にありがたい制度です。難病医療費助成。 

IgA腎症の人で申請がまだの方は、ぜひ、先生にご相談ください。医師が、指定難病に該当する確定診断がされていて症状も該当するという診断書を作成してはじめて申請可能となります。

申請手続きでお困りの方は、都道府県や市町村の障害または健康関係担当部署にお問合せください。

 

IgA腎症で軽症の方、無症状の方。

これから、腎生検なども含めて、必ずと言っていいほどの確率で入院すると思います。

入院時の医療費は、指定難病の医療費助成が使えれば、そんなに高額にならないことのが多いと思います。

ここで、民間の医療保険に加入するかどうか悩みどころです。

私は、高い保険料を毎月支払って入院に備える必要まではないな。だったら、毎月の保険料分を自由に使えた方がいいなと考えていたので、民間医療保険には入りませんでした。

所得税控除とかもあるのでそんなに単純じゃないかもしれませんが、軽症で確定診断もされてなくて薬も飲んでない内にいろいろ調べて考えとくのが得策だと思います。

経過が長くゆるやかなIgA腎症だからこそ、情報を仕入れたり勉強したり考えることができます。

治療が始まると、あっと言う間に出来なくなることも出てくるので、今のうちに。

ステロイド治療中にマッサージに行ってみた

マッサージに行ってみました。

肩と首と頭と目を中心的にやってもらうコースです。40分で4500円くらい(ペパーミントティー付き)。

40分間中30分は意識を失い寝ていましたので、よいマッサージだったのか、実はよく分かりませんでした。肩が動くようになったとか軽くなったとかもあまり感じませんでした。終わってから車を運転して帰ったのですが、いつもより視界がはっきりして景色が濃く見えるような気はしました。目はシャッキリしたのかもしません。

マッサージを担当してくださった人が、多分新人さんだとは思うのですが、一生懸命で、その姿を見て癒されました。

 

今回のマッサージと、ステロイド治療をする前に受けたマッサージと、違っていたことがひとつ。

マッサージの40分間が終わり(ということは、私は眠りから目覚め)、仰向けに寝ていたところからゆっくりと起き上がりました。

その瞬間。

ものすごーい量の血液が一気に心臓に流れ出したように感じるほど心臓が大きくドンドンと波打ち続けます。胸の真ん中がキューっと締め付けられるような感覚もあり、呼吸が苦しい。意識的に大きく呼吸音を鳴らしながら深呼吸をして心を落ち着かせて時間が過ぎるのを待ちました。けど、ちょっと怖かった。

ステロイドの関係?と思いましたが・・・。

もしかして、尿蛋白を減らすために服用しているコメリアンが原因かな?とも。コメリアンは血のめぐりをよくするので、それで血液がダーッと流れているような感覚になるのかもなと思ってみたりしました。

どちらにしても、ちょっとした恐怖だったのは間違いない。

www.interq.or.jp

 

ステロイド治療中は、大事には至らないとしても、普段やらないことをあえてやるのはやめといた方がいいですね。

基本的に、ステロイド治療中にはどういうことがどんな風に起こるか分かりませんから、慎重かつ大胆に。

マッサージに行くなら、足とか手のみのコースを選ぶのが賢明かもしません。

IgA腎症は経過が長いのでいろいろありますね

IgA腎症の確定診断を受けたのは20歳の頃。もう25年前のことです。

IgA腎症は難病だよと客観的に言われたのが平成27年。というより、IgA腎症が指定難病に指定されて医療費助成が受けられるようになったのが平成27年ってことです。

大学病院の受診は小学生のころからずっと続いていますが、服薬が始まったのはここ10年。ステロイド治療は8月から。

ACE阻害薬コバシルの服薬がはじまった時に、いつもの友人といつものように飲み会をする時に「コバシルを飲んでお酒を飲むのはやめた方がいいのではないか。」と話をして、お酒ではなくコバシルを飲まずに飲み会に参戦した思い出があります。

 

小学生のころから健診で尿蛋白が出ていました。

そのころから、けっこうな運動量の運動部に所属していました。小学4年生の時に小学6年生に負けて泣いていました。

中学校に行ってももちろん尿蛋白は検出されています。

(学校健診で発見されるパターン多いんです。IgA腎症。)

中学校でも続けた運動部の練習量は格段に増えます。休みは、1月1日のみ。21時までの練習が週に4日。土日はほぼ1日練習。

お陰で、小学4年生の時に負けた6年生が中学3年生、私が中学1年生になり、再対決した時にめでたく勝つことが出来たのです。

中学3年生の時、ある高校からスポーツ特待入学の話がきたのです。私は入る気ゼロでしたし親も反対でした。お断りするときに、親が「確定診断はされていないけど腎臓病だろうと言われている。」と伝えたのですが、その高校の関係者の方から「よくある話。たいしたことはない。」と言われたそうです。

その頃は、IgA腎症は予後の良い病気だと認識されていました。だから、そんなに治療とか生活とか何も言われなかったのです。

だけど、今となれば。予後が良くはないと分かった今となれば。

中学生時代のような激しい運動は止められていただろうなと思います。休みなしですからね。体も心も酷使でしたからね。スポーツ特待の話なんてのもなかったでしょう。

 

大学と実業団で運動を続けた中学時代の友人がいます。「大学・実業団は中学高校時代の練習と全く別物。同じレベルで語ることが出来ないくらい厳しい世界。中学時代は天国のようだった。」と言ってました。大学とか実業団の練習ってどんなものなんでしょうか。怖いです・・。

ま、今となれば昔の話です。

 

ステロイド治療が始まり不自由が多少出てきて年をとったことも実感して。

体も心も酷使しすぎずいい塩梅にいることにちょっと後ろめたさを感じたりすることもあったのですが、仲間と今の仕事をするようになっていい意味で「ま、いいかなっ」って安心できるようになりました。

そう。自分の中に不安があると「私、IgA腎症を言い訳にしてる。」とか「病気なのに。」とか「病気だから。」みたいな思考が巣食います。これは、けっこうつらい思考回路です。

今は「IgA腎症かぁ。ま、いいか。」的な穏やかな思考とゆるい生活を満喫できています。感謝です。

 

ひとつだけ、終わりにしようと思っていることがあります。

今の仕事をしっかり続けるために、もうひとつ続けてきたことを終わりにしようと考えています。

これはIgA腎症だからです。もう45歳。体に無理させられない。

だからやめようと思っています。

でも、それを言えない。古いつきあいの友人たちがたくさんいます。

先ほども電話で話をしてたのですが、「私、やめるね。」と言えなかった。

言わなくてもいいんですけど・・・。でも、ケジメとして言いたいなって。

 

今、45歳だから。

平均寿命を考えると、残りの人生あと40年弱かな。

けっこうあるけど、でも、透析しない時間はもう少し残り少ないだろうから。

自分のために過ごしましょう。

 

IgA腎症になったことで、いろいろな方向から考えることができて、ありがたいです。

長谷川豊の間違い再び

昨年9月長谷川豊という人のあるブログ記事にたくさんの人が傷つけられました。

私も深く傷ついたひとりでした。

そのブログ記事が出る少し前には相模原市津久井やまゆり園事件があり大きな衝撃を受けていました。

昨年、立て続けに起きたこの2つの出来事を、私は、いまだ乗り越えられていません。

 

長谷川豊のブログタイトルは「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ。無理だと泣くならそのまま殺せ!」です。

ブログはすでに削除されていますので読めません。

当時もブログビューを伸ばしたくないので、ブログ記事には行かずに魚拓を読みましたが、今はその魚拓も見ることができません。ブログフォームだったBLOGOSのお詫び記事になってしまいます。

ブログの内容は、「人工透析患者の内、医師から言われたことを守らず暴飲暴食など好き勝手生活してきて透析になった人は自分が悪い。自己責任だから社会保障費は使わせるな。透析医療費を全額自己負担にした方がいい。その方が社会保障費の無駄使いがなくなる。自己負担出来ないなら殺そうよ。」「もともと腎臓病の人は、自己責任ではないんだから社会保障費で透析をしたらいい。」というものです。

長谷川は、社会保障費と日本の医療制度について論じているつもりのようでした。

特に悪質なところは3つです。

一つ目は、全く変わることのない命の重さや人間の尊厳・価値に、あたかも優劣があるように誤導していることです。そして、人間の命や尊厳に優劣をつけることが社会保障費の削減という現実的な効果をもたらしさらに日本の未来のためになるかのように書いています。

二つ目は、人工透析患者間に分断を求めていること。いい透析患者=保険が使える。悪い透析患者=全額自己負担。のように非常に分かりやすい構図を使い、内部からの崩壊を煽ろうとしています。人間を良い悪いで分けることに何か深い意味でもあるかのようにも匂わせています。もちろん、人工透析患者間ですぐさま分断が起きるわけではありませんが、今回の件に限らず、こういうやり方には気をつけておかないと危険だと思いました。

三つ目は、いわゆる普通の人の「自分ばかりが割を食っている。他人が得をするのは許しがたい。」という感覚をうまくつかんでいること。長谷川の記事を読み、「なんで一生懸命に働いている自分が健康保険も納付して医療費も払っているのに、好きなように飲んで食ってたしてた奴らの医療費がタダなんだよ!」と同調する人がいるだろうなと思いました。案の定、お笑いコンビブラックマヨネーズの吉田という人がそうでしたね。

 

私は、生まれてはじめて、他者から殺せ!と言われる感覚を味わいました。

もともとの腎臓病患者ですが、先生に言われた通りなんて生活してませんから。いつかは透析にならざるを得ないでしょうが、その時には「自己責任だ!」と言われて、透析費用を全額自己負担なんてできませんからね、殺されるんでしょうかね。

神様にでもなったつもりなのでしょうか。

人の命や生を選別できるとでも?思い上がりもいいところです。

劣っている(と思う)人を排除していけば、次に劣っている(と思われる)人が排除され、その次に劣っている(と思われる)人が排除され、いつかその排除の順番が自分に回ってくるだけ。

選別と排除の理ですすむなら、その円環の中にすべての人がいてすべての人が排除されつくすのを待つだけ。

受容と承認の理ですすむなら、全ての人が生き続けられるのに。

 

当時の関連Twitter記事を保存しておきました。いくつか紹介します。

 

 

www.ikedahayato.com

 

 

fujipon.hatenablog.com

 

 

 

現在は全腎協のHPからこの文書は読めませんが、こういう事実があったことだけ。

 

長谷川某が日本維新の会比例代表衆議院議員選挙に出ているようなので悔しくて今回の記事を書きました。