さばみのIgA腎症との35年ノート

IgA腎症とともに生きて35年。いよいよ扁摘ステロイドパルス治療がはじまりました。

IgA腎症にまつわる医師談の記憶

IgA腎症になって35年たちますので、その間、医師たちからいろいろ話を聞きました。

 

25年前の1回目の腎生検でIgA腎症と確定診断されたときは、「予後のよい病気」と言われました。

しかも、進行が遅く、ずっと後に大人になったときにもしかして薬を飲むことがあるかもしれないが、何も治療せずにいられることもけっこうある。と聞いた記憶があります。

多分、そんな理解の病気だったようです。

IgA腎症を確定診断されたときに、「妊娠することは高リスクなので、妊娠したら産科と一緒に必ず大学病院腎臓内科に通院すること。」は言われました。

20歳の頃でしたから、自分が結婚するなんて、ましてや妊娠するなんて考えもしなかったので、「は?え?」と狼狽えたのを覚えています。

でも、自分でもたいした病気とは思っていなかったです。

 

妊娠した時に、言われた通りにきちんと大学病院腎臓内科にも通いました。

その時に医師から言われたのは、「IgA腎症患者は妊娠中毒症を発症しやすく、妊娠中毒症を発症したIgA患者は、その後高血圧を発症しやすい。」という仮説があり、その研究をしているという話でした。

私は、それはそれは見事に、妊娠中毒症になり出産前に緊急入院となりました。

もちろん、出産後数年度からジワリジワリと血圧が上がり出し、コバシルを飲むようになります。

まさしく、仮説通り。ビバ!研究!!

 

医師から「今までは、IgA腎症は予後の悪くない病気という認識だったけど、研究が進み、決して予後が良い病気ではないと分かってきた。」と聞きました。

研究が進んだ要因は何だったのか医師に聞くと、「医療の研究が進む一番の原因は、死亡する人が多いってこと。IgA腎症患者が心疾患で亡くなることが多いというのが分かってきて、研究が進んだ。」と教えてくれました。

その時に、心疾患リスクがあることを初めて知った気がします。

 

IgA腎症の予後に、透析の有無が大きく関わります。

透析になる率は、有病20年で40%と言われ、私の場合は「有病30年だから、10年以内で60%くらいかな。」と言われました。

衝撃発言でしたね。最悪の最悪の数字を言ってくれたそうですが。

ま、すでに、衝撃発言から6~7年たってます。早いものです。

 

20年前の1回目の腎生検の前は「慢性糸球体腎炎」と言われていたような気がします。

で、腎生検をして「IgA腎症」と確定されました。

当時、慢性糸球体腎炎とIgA腎症の関係性が良くわかりませんでした。

慢性的に糸球体が病気になる慢性糸球体腎炎の中で一番多いのがIgA腎症らしいです。

 

扁桃腺を腫らす人がIgA腎症になりやすい。かも。」とか「扁桃腺を取る治療もあるけど。」など、医師からチラホラと扁摘の話を聞いたのも20年前くらいです。

まったく手術する気ゼロでしたから、真剣に聞いてはいませんでしたが。

 

扁摘ステロイドパルス治療について、ある程度、実績数が積み重なり、治療として効果があるものと聞いたのは、ここ10年くらいだったように記憶しています。

「真剣に扁摘ステロイドパルス治療を検討するよ。」と言われたのはここ5年くらいでしょうか。

その時に、世界的にはステロイドパルスのみで扁摘はやらないことも多いけど、日本の標準治療は、扁摘→ステロイドパルス3クール×7日と聞きました。

「うげ。入院期間が長すぎ。」と言ってはみたものの、医師から「絶対入院」と言われゲンナリして先延ばししてました。

 

35年の間に研究ってものすごい進むんですね。

IgA腎症は原因不明で完治がなく、今、目指すのは寛解です。

あと40年後くらいには、原因がわかり治療法が確立されて完治したりしそうです。

 

この記事の内容は、私が医師から聞いたことで私の勝手な思い込みも入っています。正確な情報でないこともあると思います。ご了承ください。