さばみのIgA腎症との35年ノート

IgA腎症とともに生きて35年。いよいよ扁摘ステロイドパルス治療がはじまりました。

退院後3回目の外来 ステロイドがIgA腎症に効いている

先日、退院後2回目(4か月経過)の外来受診に行ってきました。

ステロイド服用中で緑内障のリスクが高いため、眼科を受診。

扁摘手術をしてから味覚障害が発症したため、耳鼻咽喉科受診。

おおもと、腎臓内科。

以上3科受診でございます。

 

まず。

ステロイドが効いています!!

尿蛋白が減り、血尿は(-)。腎機能低下は止まっています。

パルスからよく効いていましたが、内服になっても効果は維持できていて、ステロイド治療ありがたいことです。

プレドニゾロンがさらに5g減りました。朝・昼2錠ずつになりました。今までは2.5錠ずつだったのですが、ほんのちょっとの減りでも、すこぶる嬉しい。

血圧も安定。むしろ低いくらい。体重も退院時キープ。いやむしろ微減。摂取塩分は4~5g。

血圧体重塩分摂取量の安定要素も腎機能低下を止めているのにかなり役立っているそうです。

 

ずっとステロイドの関係から発生していると思っていた動悸と心臓ドキドキですが、どうも原因は違っていたみたいです。本気で心臓止まったらどうしようと何回思ったことか。それも杞憂でした。

血圧が低め安定しているのに、腎臓を保護しながら血圧を下げるコバシルを1日2錠服用し続けたため血圧が下がりすぎてしまい、血圧を上げようと心臓から多くの血液を送り出したことで動悸というか心臓がドキドキするようになったみたいです。

そうです。ほぼ毎日測っている血圧の1か月平均は109/66。最も低い値は、89/50です。低すぎちゃったのかもしれません。

ということで、今までは朝昼に1錠ずつ1日2錠飲んでいたコバシルが、1日1錠に減量されました。

先生曰く「この予測が正しければコバシル減らせば心臓ドキドキがなくなるはず。やってみよう!」。この仮説立てて実践して試して答えを出す感じ、とってもワクワクします。

今のところ心臓ドキドキありません。やった~。

でもね、先生。朝か昼かどっちかに1錠で良くない?朝0.5錠・昼0.5錠なんて処方したから、薬局でわざわざ半分に割ってわざわざ0.5錠ずつ袋詰めしてくれたんですよ。薬剤師さんありがとう。でも私薬局の待ち時間が異様に長くて泣けちゃいました。

 

ものすごーーーーく髪の毛が抜けます。

髪を洗うと排水溝が髪の毛で覆いつくされるほど。髪を手で梳くと指と指の間にビッシリ黒い髪の毛が挟まる程。髪をとかすと髪がワラワラ落ちて散らばる。ちょっとしたホラーです。

良くない現象らしいですが、ステロイド治療が終われば自然に治まるはず。とのことで経過を見ていくことになりました。

それから、指の節だけ異様に荒れるんです。シワシワガサガサで間接が一回り大きく見えます。今までそんなことはありませんでした。ということはステロイドのせい?と私は思ったのだけど、先生は小声で「膠原病もあるからな。」と言っていたのです。

そう言えば、IgA腎症だけでなく、膠原病的なものにり患している可能性もあると言われ、検査を受けたこともありました。その時は何でもなかったのですが。

腎疾患と膠原病って割と近く重複してり患することも珍しくないようです。

IgA腎症は子どものころから付き合っているしこれからも付き合わなければいけないと腹をくくっているけど、45歳になって新しい病気とお付き合い始めるのは、ちょっと勘弁願いたいです。はい。

 

眼科・耳鼻咽喉科も経過良好。と言いつつ、次回は2ヶ月後です。けっこうマメね。

 

ステロイド内服が終わるのが平成30年8月予定。ステロイド治療スケジュールは1年間です。

私の主治医は「ステロイド治療期間は効いても効かなくても延ばさない。」そうです。1年間かけてプレドニゾロン内服量を徐々に減らします。

外から入ってくるプレドニゾロンが減っていき、自分で作るコルチゾルが増えるのでしょうか。それを体で感じることができるのでしょうか。

できるようになりたい

ステロイドを飲みながら働き続けた13日

ステロイドを1日25g飲みながら休みなしで働くこと連続13日。

13日連続で9時から17時くらいまで働きながら、さらに夜の仕事があったのが4日。

人前に立つ仕事があったのが7日。

緊急事態が2日。

近距離出張が4日。高速とか新幹線を使う遠距離出張が6日。

そんなストレスが多い13日間。

ステロイド治療前ならば、まあまああるスケジュールです。そんなときには「疲れたな」と思うことは多々あり家でグッタリすることもよくありました。

ステロイド治療を始めてから、13日連続仕事、しかもあちこち移動多くて、人前多くて、ストレス多い、というのは初です。

 

13日目に倒れました。

午前中から「あれ?ちょっといつもと違う。」と思いましたが、そのまま頑張って仕事を続けました。自分が担当する午後の時間は立っているのがやっとで会場を回ることができませんでした。今までなかったことです。

夕方にも思いがけない仕事が入り、気合と根性と仲間のヘルプで何とか乗り越えて、家に帰ることができました。

家に帰ってからはあまり記憶がありません。

早く寝たのは間違いないのですが、それまでの記憶が薄い。

こんな経験初めてです。

つらかったんだと思います。

 

いい塩梅で生活している分にはいいのですが、過剰に働きすぎたり心と体に負荷をかけたりするのは、ステロイド服用中には絶対ダメですね。

私は大人です。自分で休んで折合いつけなくちゃ。倒れる前にいたわろうね

ちきりんブログを読んで考えた「病気を持ちながら働く」ということ

私は20年近く公的セクターで働いてきました。

大学卒業と同時に資格を取得し公的セクターに就職し、退職するまでずっと同じ場所で働いてきました。

とても安定した職場で、給料も保障されていますし、有給も取れますし、時間外・休日出勤手当もきちんと出ます。

ただスタッフ数がとても少ないのです。そして、時代の流れもあり、要請される業務量は増え、求められる質も年々高度になっていきました。でも、基本的に、スタッフ数は増えません。

そんなところで20年働いていました。

数年前、外来主治医から「10年後に透析になっている確率は60%」と言われたことがひとつのきっかけとなり、「ならば、好きなことを仕事にしよう。やりたい仕事をやろう。」と思い、さらに、腎生検・扁摘手術・1か月入院するステロイドパルス治療からもう逃げられなくなり、公的セクターに勤務しながらの治療は無理だなと、退職を決めました。

 

今日のちりきんブログ「chikirinの日記」は「武勇伝バイアスに気をつけよう」です。

d.hatena.ne.jp

ぜひ読んでみてください。

 

今日のちきりんブログを読んで、私も、武勇伝を無意識に振りまいていたかもしれないし、その武勇伝に自分が首を絞められることになっていたかもしれないと思ったのです。

公的セクターで働いていた頃の私は、入院して休むことになるのもイヤでした。ステロイド治療して自分をいたわりながら仕事をすることもイヤでした。

スタッフ数が少ないので、他のスタッフに迷惑がかかるのがイヤという気持ちももちろんあります。

でも、それよりも、今までバリバリと働いてどんな状況でも乗り越えてきた(と自負している)のだから、私はずっとそういう人でいないといけないという気持ちがありました。病気だって何も変わらず働ける私を求めていました。

もし万が一私が公的セクターを辞めずに現在の治療をしながら働き続けることになっていたら、多分、かなり無理をして今までと変わらないような仕事を目指していることでしょう。

それは、とても良くないことだと、今となればわかります。

自分の体云々ではなく、「難病を持ちながら、私は無理するし、バリバリ働くことができる。それが普通。」という武勇伝を振りまくことで、他に病気を持つ人たちがその人なりのペースで働こうとすることを躊躇させてしまう可能性が出てきます。

まだまだ色濃く残っている「無理する人=仕事を一生懸命する人=無理するのは当然」のようなモーレツサラリーマン24時間働けますか的な思想の蔓延の片棒を、全く不本意なのに、担いでしまうことになったかもしれません。

そして、何より、病気で仕事を休む人やゆっくりペースで仕事をしたい人を傷つけてしまうことだってあります。

 

IgA腎症は、わかりやすい症状が少なく、経過もゆっくりです。決して予後がよい病気ではないと言われ難病指定され完治しないとわかっていても、今でも、疲れて休んでいる時など、気持ちのどこかで「生き死にに関わらないのに、さぼろうとしているのではないか。」と考えてしまうこともあります。

病気は星の数以上にあって、病気にかかる人間はひとりひとり違っているのだから、みんな同じ状況になりっこないのです。生き死に関わらないから辛くないとか、痛くないならたいしたことないとか、画一的なことはひとつもないのだから、そこに囚われても意味がないはずです。これ、自分に言い聞かせてます。

 

今の仕事場には武勇伝がありません。というか、武勇伝があったとして、何の意味も持たないでしょう。そんな仕事場です。

武勇伝の代わりに、IgA腎症のこと、治療のこと、現在の体調のこと、生活のこと、その他病気にまつわるエトセトラについて、スタッフみんなと話します。

辛いときはみんなに言います。休みます。早く帰ります。

(この間は、突然、心臓がドキドキして息苦しくなり「心臓止まったらどうしよう。」と心配したら「そんなに簡単には止まらんよ。」と言われながら、早退しました。)

わかりにくいIgA腎症だからこそ、身近な人たちにちゃんと言葉にして伝えていくことが何より大事だなと思います。

言わなくても分かるだろう。なんて幻想でしかないですからね。

幻想ついでに、バリバリ働いている自分でなくちゃいけないってのも幻想なんですけどね。

これもIgA腎症が気づかせてくれたこと。

 

スピードスケートの高木美帆さんは勝っても負けても考える人だそうです。レースが終わったあとの表情には嬉しさや喜びみたいなものが薄い。勝ってもすぐ考えてるからだそうです。

高木美帆さんとは全く次元は違いますが、いつも一緒にいるIgA腎症と考え続けながら毎日を過ごしていきます。 

扁摘手術後の味覚障害の正体(仮説)

ゴールデンウィークに扁摘手術をして以降、ずっとずっと味覚障害が続いています。

術後3か月は口の中が常に渋くて苦くて。何も食べていないのにです。ずっと口の中に変な味があるとても奇妙な状態でした。

今は口の中全体というより、扁摘手術したのどの奥ら辺にずっと渋味としょっぱ味が残っている感じです。

基本味覚(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)はすべてありません。

最も分からないのは「うま味」です。ラーメンのつゆ、出汁、お肉やお魚の味、ほとんど分かりません。

ラーメンのスープを一口目飲んだ時だけは「あ、おいしい」と思うのですが、次からはほとんど味がしません。(なんで一口目だけ味が分かるのか、なんで二口目からはわからなくなるのか、全くの原因不明。)

甘味もほとんど感じません。チョコレートはまるで油脂分を食べているよう。心から悲しい。

 

でも、わかる味があるんです。

ビールの味の違い です。

毎年楽しみにしている「一番搾りとれたてホップシリーズ」。

味覚障害真っ最中の今飲んでも味と香りの違いが分かるんです。しかも今年は美味しい!

www.kirin.co.jp

わずかな味の違いがわかるんです。多分。

 

この間、友人たちと飲み会でした。

今の私は飲みたい気分のままお酒を飲むと100%気持ち悪くなってしまうので、今回はノンアルでいきました。

飲む人たちのメインイベントは、いろんなビールを買込んでの飲みくらべ!+初呑み獺祭!です。

獺祭の蔵元|旭酒造株式会社 / Dassai Official Web Site.Asahishuzo CO.,LTD.

私ノンアル・・・いや。それを横目で見てるだけは少々無理でした。

ってことで、ほんのちょっとなめてみる程度だけですが味見させてもらったのです。

全部、わかるんですよ。ビールの違いが。しかもハッキリと。

獺祭の甘味うま味もしっかり感じるんですよ。

おつまみで出た友人手作りのから揚げがいつもより甘いのも分かったし、ブルーチーズの香りとおいしさも、ものすごーく満喫しました。

(獺祭とブルーチーズがマッチするんで驚き。)

 

そこで私の扁摘手術後の味覚障害について仮説が出てきました。

鼻腔で香りを感知して味覚を分別しているのではないか。つまり、やはり味覚はない。

けれど、香りを感じている。香りを食べている。香りから味を思い出している。香りの強いものは分かるけど、弱いものは分からない。

う~ん。けっこうリアルかも。

そして、味覚障害が治る気が全くしなくなってきました。私は香りと生きていく。

 

もうひとつ仮説が登場。

腎生検→扁摘手術→ステロイドパルスという3度の入院を経て、自宅でステロイド治療を継続している今、ありえないくらいお酒が飲めません。

治療前なら、生ビールをふつうに4~5杯飲んでも違うお酒も飲めました。

なのに、今は。

ビールでもチューハイでも、350㎖缶2本目からは調子が悪くなってきます。酔っているのではなく何となくお腹の辺が気持ち悪いという感じ。1本目だっておいしく飲めない時も多いのです。

ステロイドはじめたくさん飲んでいる薬の影響もあるだろうし、1年間に3回も入院して体力落ちてるし、腎機能の関係もあるのかもしれないし。ステロイド治療しているんだからお酒が弱くなってもしゃーないよね。

なんて考えてました。

しか~し

「その調子悪いのはふつうに酔っ払ってんじゃん。単純にお酒が弱くなったんじゃないの。」と、衝撃発言が・・・。

私がお酒に弱くなっただと!!!なんということでしょう。嘆かわしいではありませんか。

・・・でも、落ち着いて考えれば、なかなかいい線いっている仮説です。多分。

友人たちは口々に言います。「毎日訓練。飲んで強くなれ。」と。

ラジャー。忘年会を目指して訓練続けます。飲んでも体調悪くならない体に戻します。年齢のことは忘れて頑張ります。

 

なんかいろいろ末期でしょうか、私

ステロイドを飲んで髪がバサバサです

久しぶりに髪を切りに20年来通っている美容院に行ってきました。

美容師さんから「髪が変わっている。今までの艶感とか潤いとかがなくなって、バサついているよ。」と言われたのです。

退院してから、髪をおろすとボサボサにひろがるようになり、気になっていたのですが・・・美容師さんから言われ、ハッとしました。

ステロイドを飲んでホルモンバランスが崩れているので、髪がバサバサになってしまったのです。

髪は、ホルモンの影響をとても受けやすく、ちょっとした体調の崩れで艶がなくなったり水分がいきわたらなくなってバサついたりするそうです。

ステロイドを飲むと、髪質が変わる。バサバサになる。艶がなくなる。

こんな副作用の出方もあったのです。

冗談ではなくほんとに、いつもと違うようなことが自分の体に起きたら、なんでもかんでもまずはステロイドを疑ってみた方がいいね。

おそるべしステロイド

ステロイド治療が終わるまでは、髪がバサついてもごまかしやすい後ろでギュッと結ぶ髪型が続きそうです。

感染症予防のため、ずっとずっとマスクをしている私ですが、最近は街にマスク人が増えて嬉しい。

唇の荒れにはマスクが一番効果があるそうです。マスクで保湿。ずっとずっとマスクをしている私はリップクリームいらずになるのかしら。

ステロイドうつ

ここのところ物事を悲観的に考えがちです。

ステロイドの副作用のうつ症状・・ではなく! もとからの性格が原因です。

ものごとを悲観的に悪い方に考えてしまう時には、頭の中に、とある出来事がこびりついている時です。とある出来事は、その時々で変わります。

そして、そのとある出来事にまつわる思考を、暗澹たるものに変換しているのは、私自身です。

考え方ひとつなのに。ものの見方ひとつなのに。幸せ思考も不幸せ思考も私の中にある。

だからこそ・・・

前を向きましょう。

自分の信念・覚悟を信じよう。時々、ゆらゆらするけど、それも認めよう。

はい。間違いなく明日はきますから。(明日が来るたび、ステロイド治療終了の日に近づきます。)

できるだけゴキゲンな時間を過ごしましょう。

 

退院後はじめて昼にステロイドを飲み忘れ夕方に服用しました。

ステロイドを飲む直前くらいに、車酔いに似た感じで気持ち悪くなり、「少し顔色悪いよ。」と言われました。が、ちょっと休んで治りました。昼にステロイドを飲まなかったことが原因で起きた不調ではないですね。

いつもと違うことと言えば、それくらいです。

夕方にステロイドを飲んだので、夜、眠れるか心配でしたが、全く無用。

いつもの通り、布団に入り3秒で寝ました。

 

そうなんです。いろいろ言ってますが、眠れるんです。ありがたいことです。

これからも、後ろ向きになることがあったとしても、ずっとたくさん考え続けます。