さばみのIgA腎症との35年ノート

IgA腎症とともに生きて35年。いよいよ扁摘ステロイドパルス治療がはじまりました。

腎生検とIgA腎症治療と妊娠のタイミング

IgA腎症(疑い)が発見される多くは、尿検査で潜血や尿蛋白が(+)になったということがきっかけです。尿検査でひっかかり、ある程度の期間を経過観察して「多分IgA腎症だよね。てか、9割方IgA腎症だと思うよ。」という時期がきます。

ここで、9割方IgA腎症だと考えているけれどそれを確定診断をするために「腎生検」が行われます。私たち患者にとっては、IgA腎症という診断名を確定させ、今後おとずれるであろう治療に向けて心の準備を整えるためという意味合いもあります。

「腎生検をするほどではない」という医師の判断がある場合、腎機能の低下があまりなく、治療はまだ先だよという段階の可能性がありそうです。腎臓も体調もお元気なんではないかなと思います。

これが有無を言わさずに「腎生検するよ」と言われたら、少し病気が進んできたという可能性が出てきます。

私の1回目の腎生検が20年前で尿蛋白が出てから10年経過したので確定診断させるためでした。2回目は一昨年。先生から「もうダメだ。ステロイドパルス治療しなくちゃダメ。治療の前に腎臓の状態を確認するよ。」という半ば強制力が発動された腎生検でした。

医師から「腎生検するよ」と言われていない時期は、いろいろな制限もまだ先ですし、それほどの体調悪化もないんではないかと思いますので、自分の思いややりたいことを優先しやすいと思います。

IgA腎症は経過の長い病気です。自分の年齢とともに悪化していくのは避けられないんだと思います。完治がないですからね・・・。だから「今この瞬間」が一番いい状態とも考えられるので、今この時を大事に思いきり過ごしてほしいなと思います。

 

ステロイドパルス治療を45歳で受けてみて、もっともっと若い年齢の頃に出来たらよかったなと思っています。腎機能のためにも自分の体力のためにも若いうちにステロイドパルス治療をするのに越したことはないとは思います。腎機能低下が軽い内だったら治療効果ももっとあったのかしら?と考えたりします。何せ、私がステロイドパルス治療を受けたのはCKD分類が赤の重症度でしたから。IgA腎症に限らず早期発見早期治療は重要なんでしょうね。

でも、45歳でもちゃんとステロイドパルス治療できたし、治療効果を得ることも出来ました。ステロイドパルス治療の効果は、得られる人と得られにくい人がいるようですが、その理由は不明なんだそうです。だから、45歳で治療効果が得られてラッキーってくらいに思っています。

日本の主流である仙台式ステロイドパルス治療は、ステロイド大量点滴投与のパルス3日+服薬4日×3クールの21日間が入院期間となります。入院が長いんです。

子どもたちのイベントがある年(受験とか入学とか)や仕事が忙しい時はそんなに入院出来ません。先生から「ステロイドやった方がよさそうだよ。」と言われてからも数年間は先延ばししました。それでもオッケーでした。先生は「早くステロイドパルス治療した方がいいんだけどね。」とぼやいてましたけど、平気でしたね。(←私的にはですが)

こういう感じは、経過の長い慢性疾患だからって感じもします。本当に経過が長いので、「今すぐ治療しないと!」みたいな緊迫感はあまりないんですね。だって、多分この先、生きている間中ずっと治療が続くわけだから、どうやって負担が少ない治療を長続きさせながら生活の質を低下しないでいられるかという長期戦略も大事なんです。

さすがに2回目の腎生検をやる時には、先生から「もう延ばせない!」とキッパリ言われたので、素直に腎生検やりました。

 

妊娠のタイミング、とても悩みますよね。

IgA腎症は経過が長く今のところ完治がない難病です。一生付き合い続ける病気です。自分の人生を優先できるIgA腎症の進行具合であれば、私は、自分が思っているようにするのが一番だと思います。腎機能低下がひどくなって自分の人生よりも治療が優先という時期が来るかもしません。ので、自分の人生を優先できる今を大事にできたらいいなぁと思います。

前にも書きましたが、妊娠出産はIgA腎症を悪化させます。妊娠出産しなくても悪化します。そして治療はいつか始まります。

そんな病気になったお陰で、自分の時間に限りがあることを実感できたので「よっしゃ。やりたいようにやろうじゃん!」と、思ってます。